2012年5月25日金曜日

安養寺廃寺石塔 湖東三十三所(野洲郡三十三所)現地探訪_5

所在地がわかりにくい札所(跡)のひとつである近江八幡市の安養寺跡(廃寺)
日本全国に「安養寺」と名の付くお寺は多く、滋賀県内だけでも、「立木さん」の名で親しまれ瀬田川のそばにある「立木山寺=立木観音=安養寺」。また栗東ICに近く金勝寺二十五別院の一つである栗東の安養寺「東方山 安養寺」などがあります。
ネット検索で、こうした同名は絞り込みすぎると情報が乏しくなり、大雑把過ぎると多すぎて探しにくく、いつも悩むのですが、調べて行くと、近江八幡市の安養寺跡(廃寺)は、現在、石塔だけが残っているということで、場所は、国道477号線沿いの水田近くに建っているということですが、番地までの情報はわかりませんでした。
また「「国道477号線」と言えば、酷道マニアなどには、おなじみの「寄せ集め国道」。道路の複雑さでは全国屈指の国道沿いにあるということですが・・・。


この写真を見て、一瞬でわかる人は凄いです。
酷道マニアの人でさえ、国道とは思えない狭い道や、市道と国道の見分けの付かない分岐路に気をとられ、気がついた人はいないと思うほどの場所です。
(仮に気がついても、何も知らないと、人様のお庭の石塔にしか見えません)


これが安養寺(跡)廃寺の石塔です。
そして何気なく道路沿いに見えたのが、国の重要文化財である鎌倉時代期の石造五重塔です。
(全く重要とは思えない場所にあります。)
水田と道路との間の傾斜面に置かれ、駐車場もありません。
(駐車場を作ると盗まれるので、わざと解り難くもしてあるようです)


たまたま車で通りかかった人も、「何かな?」と近づいて行くと「ポリテクカレッジ滋賀」の道路看板に隠れる仕組み(?)です。(分岐路からは離れていて不自然です・・・)



もちろん道路からは階段も無く、土の斜面を滑り降りるような場所にあるので、女性の方でハイヒールを履いていたら田んぼに転げ落ちるような場所にあります。


 ■安養寺跡五重塔

国の重要文化財
寛元4年(1246)相輪の一部が欠失するので現高417.5cm。
基礎四面の格狭間内に掘り出される三茎蓮華は近江式装飾文最古の遺例である。
塔身には顕教系四仏の像容を刻出し、南面左側に「寛元二二」が辛うじて見える。
(湖国と文化79・春号(平成9年3月31日発行)の特集:近江の宗教石造文化より抜粋)


印相についてはwikipediaはこちら


写真では大きさが伝わらないのですが、実際に4mもある石造の五重塔を見ると迫力が違います。間近で見ることができるので感動で見とれてしまいます。
私は石造が何か怖い感じがして、(私の菩提寺が二度も焼失して丸焦げの五輪塔を見ていたからなのか)苦手なのですが、ここの石造は場所が明るいことがあって癒される感じがしました。
なおツツジの植え込みに隠れて足元にも石仏が並べてあるので蹴らないように注意が必要です。


石造好きな人たちが、ここに来られた写真をネットを探すと色々と出てきますが、草むらに埋もれていることもあります。4m四方程度の水田のすぐ隣の場所ですが、最近に手入れをされたようで綺麗になっていました。

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